自民党という名のモンスター

政治

2025年7月20日、第27回参議院議員選挙の投開票が行われた。

昨年10月に行われた衆議院議員選挙から存在感を増してきていた参政党が大躍進となった今回の選挙。
同じく昨年の衆議院議員選挙で大躍進を遂げた国民民主党も今回の選挙で議席を順調に伸ばした。

令和7年7月20日執行 参議院議員通常選挙 発表資料(総務省)
参議院選挙2025特設サイト 開票速報(NHK)

自民党 当選39 立候補79 49%
公明党 当選8 立候補24 33%
立憲民主党 当選22 立候補51 43%
国民民主党 当選17 立候補41 41%
日本維新の会 当選7 立候補28 25%
日本共産党 当選3 立候補47 6%
れいわ新選組 当選3 立候補24 13%
参政党 当選14 立候補55 25%
日本保守党 当選2 立候補9 22%
社民党 当選1 立候補11 9%
チームみらい 当選1 立候補15 7%

※すべて選挙区・比例の合計数値

自民・公明の与党側は今回大きく議席を減らし、国民の審判は自民・公明にNOを突き付けたと言われている。
一方で、こうして立候補者と当選者の割合をみていくと意外と与党や存在感の薄れた野党第一党は手堅く戦っていたとも見てとれる。

また、自民党の大敗とは言っても結局どの党も自民党ほどの議席は獲得はできておらず、選挙結果としては自民党が「勝っている」のが事実である。


ただ、選挙における有権者の本当の声は比例選挙の結果だと筆者は考えている。

参議院選挙2025特設サイト 開票速報‐比例代表 党派別得票・獲得議席(NHK)

こうして比例選挙の得票数で各党の結果をみていくと、こちらも手堅く自民党が圧勝ではありながらも、他党の様子は景色が変わってくる。
立憲民主党の得票数は野党の中では3番目、全体では4番目まで下がり、国民民主党が野党の中では1番、全体では2番目。次いで参政党となっている。
立候補者の数から考えると全体の8番目に位置する日本保守党も大健闘だったといえる。

この選挙結果から考えると自民党はもちろんのこと、有権者は立憲民主党にもNOを突き付けたのは明らかだろう。


比例選挙の結果と比較しても、全体で立憲民主党の当選者数が多いのはやはり選挙区選挙の影響が強い。

これは東京都議会選挙の時も衆議院議員選挙の時も感じたことだが、自分の選挙区には良い候補者がいないという場合が多い。
衆議院議員選挙など小選挙区制によって細分化された選挙区すべてには候補を擁立できない党は多い。
地方になると選択肢は自民党か立憲民主党の二択というところも多くみられた。

今回の参議院議員選挙のように、選挙区がある程度広くなると各党の候補者がおり選択肢が増える場合もあるが、やはり”この党の方針は応援したいが、この候補者だとイマイチ頼りないな…”とか”演説があまり上手でなく刺さらない”といったことが起こる。
また、党の方針はイマイチでも”地元で何年も汗をかいてきたこの人は応援したい”という候補が大きな政党にはいる場合が多い。
そうなってくると選挙区選挙ではやはりそれらの候補が当選するため、結果として大きい政党の方が議席数は必然的に多くなる。


さて、タイトルに書いたように今回の選挙結果を受けて筆者が感じたこと。
それは、自民党は巨大なモンスターだということ。

長い歴史を誇り、自民党の中でも右側・左側と多様性に富んでおり、同じ自民党といっても時代や会派によって全く違う顔を持っている。
長い長い与党という歴史の中で巨大な利権が生まれ、盤石の地位を築いている。

自民党のこの人は応援したい
と思って自民党に投票することは
全く逆方向の政権を応援することになるリスクも背負う。

民主主義国家の日本といえど、ほぼ民主主義ではない形で何十年間も総理大臣は決まってきたとも捉えられるのだ。


昨年の衆議院議員選挙、今年の参議院議員選挙と続いて自民党はしつこくも政権与党の座は渡さない。
(もちろんそれは選挙結果で国民が選んだ結果であるが。)

石破首相の会見を見ていてふと思い出したのだ。

鬼滅の刃。


鬼滅の刃のラスボス、鬼舞辻無惨。


彼はイケメン紳士風のときもあれば、美しい女将風のときもある。
かと思えば、秀才な少年に変化しているときもあった。

まるで自民党のよう。

そして最後は”ただ生きることだけに執着している生物”になって主人公を飲み込む。

ただ生きることだけに執着するというのは
生物の最も根幹の本能ともいえるか。


その姿を自民党に重ねてしまった。


利権がらみで簡単には崩せないしがらみだらけの自民党。
だけれど、自民党員でなければ結局は政局は握れないからみんな自民党でトップを目指す。

そしてたとえ総理大臣になったところで思い通りにはできない自民党。


ただただ、政権与党として生きることだけに執着している自民党という名のモンスター。



今回の選挙結果を受けて、野党が大躍進で期待感を高めている国民も多いと思うが、先にも書いたように現実的には自民党の勝利であり、与党は自民党である。
その点をしっかり忘れずに、一歩ずつ改善していくしかないのだ。

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