島根旅行記(中編):稲佐の浜と出雲の歴史

日常の雑談

特急やくもに乗って出雲市駅へ到着。いいお天気で非常に気持ちがいい。


駅舎の入口はいかにも出雲大社への玄関口ですよという屋根になっていて可愛らしい。

この日は、日没に合わせて稲佐の浜へ行きたかったので荷物を置きにまずはホテルへ。
出雲市での宿泊はセンチュリオンホテル&スパクラシック出雲へ。

駅から目の前の通りをまっすぐに5分程度でたどり着ける超好立地。
2021年12月開業ということで施設もかなり新しく綺麗だった。

チェックイン可能時間の30分くらい前に到着してしまったのでさすがに待ってくださいと言われるかと思ったが、「お部屋は用意できているので」ということで快くすぐにチェックインに応じてくださった。
本当に助かった。意味もなく30分ボーっと待つのは意外と疲れるので。


荷物を置いたら日没の17時頃まではまだ数時間あるため、出雲市駅から7.7kmくらいの場所に位置する長浜神社へ向かった。
バスで向かうと1時間程度かかってしまうが車だと20‐30分程度。ということでちょうどホテル前で人を下ろしているタクシーがいたのですぐに乗せてもらい向かった。

向かっている途中でタクシーの運転手さんに教えてもらってやっと気が付いたのだが、実は筆者が旅行した11月10日~11月12日はちょうど出雲は「神在月」。
全国から八百万の神様が出雲に大集結しているパワーウィークなのである!

神在月といっても神様が居るのはここの1週間だけだそうで、たまたまジャストで旅行期間が一致していたのだった。
そのため、出雲は1年間で1番の観光繁忙期。ホテルがなかなかとれなかったのも納得である。

超有名な観光地といえどかなりの田舎ではあるのでタクシーはそんなに台数がなさそう。
タクシーの運転手さんが「たぶん配車を頼んでも予約以外は断られる。いつも病院にむかえにいくおばあちゃんのお迎えがこの後あるから、おばあちゃんの病院が終わる時間次第だけれど、電話してくれたら私が行きますよ。」と言ってくれた。
本当は予約以外の動きをすると怒られるらしいのだけど、親切な方に出会えてラッキー。


長浜神社に到着すると、さっそく長い階段がお出迎え。
だが、前日に急勾配の古墳を攻略した二人組は体力に自信をつけていたので登りきることができた。

登りきるとそこにはちょっと古びた雰囲気のある神社が構えていた。

境内には「厳藻かけ」といって出雲の”出”の字を模した木製の棒がたてられていた。
古くからのこの地域の習慣で、忌明けに海で体を清めたのちにその証拠として海から神馬藻をとってきて神社にお参りをしていたそうだ。
この海藻は”いづも”と言われており”出雲”の語源となった。
”出雲”という漢字はもともとある”いづも”の発音の当て字ということだ。

そして、前編に続き相も変わらず写真を撮り忘れている…w


出雲には国引き神話にまつわるスポットがたくさんある。
前日に訪れた古墳群でも国引き神話がでてきた。
この長浜神社は「国引き神話」の主人公八束水臣津野命(やつかみずおみつぬのみこと)を主祭神として祀っている。

国引き神話は出雲風土記に記されており、出雲の土地が狭いことを憂いた八束水臣津野命は、朝鮮半島にあった余った土地を綱で引き寄せ、隠岐の島から引き寄せ、能登半島から引き寄せ…、そうして宍道湖や中海ができ今の出雲の土地ができたという神話。
国引き神話とはどんな話?『出雲国風土記』にのみ記される島根の成り立ち!:まっぷる(2024年1月17日)

神話は規模感が本当にパワフル…!


境内の奥の方には夫婦石があり、子授け、安産の石としてのご利益があるそう。

出雲の田舎の神社なので、参拝客は筆者ら以外にはゼロ。
山の森の奥、静かに参拝できてすごく素敵な時間だった。

参拝を終えてタクシー会社に配車の電話をしてみた。(ここまで乗せてきてくれた運転手さんに「一応、会社に先にかけてみてもらえますか?」と言われていたので。)
やはり即答で「事前予約以外は本日は承っておりません。」との返答だったので、乗せてきてくれた運転手さんの携帯に電話してみる。
ちょうど病院のおばあちゃんを送るところだったようで、少し待てばOKということで無事に迎えに来てもらえた。


稲佐の浜に到着したら、先ほどの神社の静けさとは打って変わって観光客がそれなりにいた。車も結構出入りしていた。
この前日は神様をお出迎えする神事があったそうでもっと込み合っていたのだとか。

皆やはり狙いはインスタ映えの日没撮影かな…笑


到着時はまだ日没まで30分程度あったので明るかった。

日没を待つ人たちで賑わっている。


しばらく写真撮影したりして待っているとどんどんと日が落ちてきた。


完全に日が沈んだ空。大地と空と海と、まさに神の御業と思える。

稲佐の浜にある弁天島にはかつて弁財天が祀られており、現在は豊玉毘古命(とよたまひこのみこと)が祀られている。
弁天島の”夕日にまつわるストーリー「日が沈む聖地出雲」”という日本遺産があるらしい。

この場所は長浜神社でも出てきた国引き神話にもまつわるスポット。
そして、大国主神が高天原から派遣された武甕槌神(たけみかづちのかみ)と国譲りの交渉をしたという場所とされている。

色んなストーリーがあってとても興味深い場所だった。


そんなこんなで、美しい夕焼けと日没に癒されたあとは徒歩15分~20分程度の場所にあるバス停まで歩いて向かう。
夕日が沈みきったら稲佐の浜からは帰っていく車でごった返していた。

すっかり日も落ちて少し寒くなってきた中、バスをひたすら待つ。
かなり並んでいた。

バスで30分くらいかけて出雲市駅まで戻り、ホテルへと戻った。


ホテルは名前に「スパ」とついているくらいだから、結構な施設があるのかとちょっと期待してしまったが、小さなサウナと水風呂、ミルク風呂があるだけだった。
筆者はサウナは利用しないので大人しくミルク風呂だけ入って上がった。

最終日はいざ、メインどころの出雲大社へ!

後編へつづく。

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