11月10日~11月12日までの3日間、足立美術館と出雲大社の参拝を目的に島根へ旅行。
岡山駅から特急やくもの新型車両に乗ってまずは足立美術館へ。
内装の写真は撮っていないが、車内はとても清潔で椅子は新幹線と同じゆったり感で快適であった。
壁は木目を思わせるデザインで、座席は山々をイメージした緑色ベースに、魔よけの意味がある麻の葉模様があしらわれていた。
やくもにはグリーン車、普通車指定席の他にセミコンパート席という座席がある。
2名席と4名席のBOXタイプになっていて、足を延ばしてくつろげる席仕様となっている。
普通指定席とどちらにするか迷ったが、結局は椅子に座るほうが楽か?ということで普通指定席を利用した。
席はほとんど埋まっていて、特に関西弁の方が多かったように感じた。
ゆれはそれほどなかった。もちろん新幹線と同じわけにはいかないが。
このあと利用したタクシーの運転手さん曰く、旧車両のときは一部でかなりガタガタと揺れていたそうなので、新型になって著しく改善されたのだろう。
安来駅で降車して足立美術館までの送迎バスを待った。
30分に1本駅から直通。
バスはミニバスで10人はギリギリ乗れるか?といった大きさだった。
足立美術館はそれなりに有名なのに、このくらいのバスの大きさでOKなのには驚いた。
ちょうど前のバスが出たばかりで時間もあったので目の前の喫茶店で昼食。
親子なのか年配の女性と中年の女性が2人でカウンターに立っていた。
ナポリタンをいただいたが、シンプルかつオーソドックスで期待値を上回り美味しかった。
あの近くが地元だったらママと仲良くなって通いたいなと思えるお店だった。
同じバスには筆者たち以外に2名が乗車。
乗る人が少なすぎて、逆にこの駅で降りたほかの人はどこに行くために降車したのか疑問だった笑
足立美術館に到着するととたんに人が増えた。
大きな観光バスがずらりと駐車場に並んでいた。
そうか。電車に乗ってやってくる人は少なくて、みんなバスツアーとかで直接やってくるんだな。
島根県安来市の足立美術館は、横山大観 、 北大路 魯山人などの近代日本画作品を有する美術館。
アメリカの日本庭園専門誌が主催する数寄屋リビングマガジン(ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング)で22年連続1位を受賞しており、庭園でも有名な場所だ。
米国の専門誌が選ぶ2024年の日本庭園ランキング:nippon.com
こういう場所に行くと半分以上が外国人観光客というイメージだったが、この日は日本人観光客の割合が多かったと思う。
到着したころ、空は少しだけ雨模様だったが、その空気感がまた特別な演出にも思えた。
庭園全体がその奥に道路などが映り込まないように工夫された造りになっていたり、鶴亀の滝と呼ばれる高低差15mの人口滝まであり、その拘りっぷりと贅沢っぷりには驚かされた。
美術館の中には庭園をゆっくりと楽しめる大窓の喫茶店があり、並んででもここでお茶を一杯いただくことをオススメする。皆、窓側の席のために並んでいるが、相互に譲り合って壁側の席の方も写真は撮れていた。
※店入口の案内には”壁側の席の方が窓側に移ることはできない”と注意書きされている。筆者が入ったときは空いていたのでOKだっただけだとは思う。
枯山水庭、苔庭、白砂青松庭など。美術館を囲むように広がる美しい数々の庭園は、島根の奥深くまで旅に行く理由には十分の場所だった。
この日の観光プランはちょっと異質。
足立美術館の近くはそれ以外に何もないといえる笑
とはいってもせっかくなのでいろいろ詰め込みたい貧乏性。いろいろ調べた結果、古墳に行くことにした。
移動手段はタクシー一択。
だが、美術館の周りにはタクシーすらいない…。
配車サービスアプリはすべて圏外。
近くにあった「タクシー乗り場」に記載されている電話番号に電話してしばらく待った。
日本神話好きとしては島根はあまりにも魅力的過ぎた…。
古墳はたくさんあるし、日本神話にまつわる神社やスポットが多すぎるのだ。
そして、結構な田舎で広いので移動手段と持ち時間を考えると選択肢がほぼタクシーになってしまう。
車を運転できない筆者にはなかなかお金がかかる旅ではある笑
旅行プランをたてる上で最初に候補に挙がっていたのは、足立美術館から20kmくらいの場所にある比婆山久米神社。創建不明の古い神社だ。
比婆山は古事記に記載された最初の山であり、伊邪那美命(イザナミノミコト)の埋葬された由緒ある山だそう。山頂に久米神社(奥宮)がある。
そんな日本神話好きにはたまらない由緒ある神社には絶対行っとかないと!
せっかく行くならやはり奥宮まで行ってみたい。
だがしかし。
そうなると登山をしないといけなくなる…笑
大自然の中の本気の神社(※)は、観光地化して現代人向けに整備されている寺社仏閣とはわけが違うのだ。
※筆者が本気の神社と呼ぶ定義は、創建がわからないほど古くからその地に鎮座しており、参拝客も少なく、なんなら常駐の神主さんなどもいない奥地の神社や、とても人が簡単に立ち入ることができない場所に鎮座する神社など。観光地然とした神社や創建の浅い神社をなめているわけではない。
ということで、160cm46kgの運動習慣ゼロ30代女性がそんな登山をしようものなら命がけになってしまうので旅行プランからは除外w
足立美術館から8kmくらいの場所で、帰りは近くの山陰本線の電車にも乗れそうな場所に位置する古代出雲王陵の丘というところへ向かった。
向かう途中のタクシーで、運転手さんが「この辺りは古墳だらけよー。いろんなところで今でも古代の出土品がたくさん見つかるよ。たった最近はあそこの学校の裏庭から出土したよ。」とか島根あるある(安来あるある?)を教えてくれた笑
何千年・何万年も昔に生きていた人々の痕跡が残っているって、ロマンあるわ…!
古墳に到着したらあとは小高い丘と呼ぶべきか山と呼ぶべきか…笑
とにかく登る。
人工物だからなのか急勾配でものすごくきつかった。
途中で心が折れそうだったが、降りるのも辛いくらいきつかったので、休みながら必死で登り切った。
70代の父もよく登り切ったとお互いに誉めあった。
目の前には中海が広がっていて気持ちよかった。
登り切った達成感と、中海の清々しさと、意外と行ってみることをオススメできる場所だと思った。
(そして、なぜか写真を撮り忘れる。)
登ってみるとより人工物っぽさを感じる形をしていた。
古墳は4基あるようで、1号墳が古墳時代前期の大型方墳、2号墳が古墳時代の後期の前方後方古墳、3号墳が古墳時代前期の古墳、4号墳は公園として整備されているつくり。
1800年前の人が造った古墳の上に立っているという感動!
この後はゆっくりと歩いて近くの山陰本線荒島駅へ向かう。
電車に乗ってホテルのある松江へ。
遅い時間だったので松江駅でお弁当を買ってホテルへ向かった。
最初に計画した旅行計画では1日早く出かける予定だったが、ホテルがどこも満室で行くことができなかった。1日日程をずらして旅行することにしてやっとの思いでとれたのが松江ニューアーバンホテル。
この中でもやっととれたのが別館の1名部屋であった。
父とは宍道湖側と街側で通路を挟んで斜め向かいの部屋に分かれて宿泊。
廊下の人の声だとかドアの音だとかは特に気にならなかったが、なぜか父の咳払いの声だけものすごくよく聞こえた。
いびきがうるさい70代と一緒じゃないからよく眠れると思ったから祟られたのか?笑
お弁当を食べて少し休み、本館にある天然温泉へ。
女性の浴室は残念ながら宍道湖が見えない方だったが、いいお湯だった。
ただ、ここで最近問題なかったヤツが舞い戻ってくる。
温泉がちょうど込み合う時間だったことや、寒暖差で血圧が変動してしまうこと、寝不足や旅行の疲れからだろう。
久しぶりにパニック発作が起こってしまい、髪も乾かさずに走って部屋へ戻る。部屋へ戻ってひたすら発作が収まるのを待つ。
父と別の部屋でよかった。心配して私とは別の意味のパニックを父が起こすから笑(そうするとうるさくてこっちはパニック発作が治まらなくなるw)
パニック発作というやつはただの脳の誤作動なので、治まるとなんてことはない。
翌日は午前中に松江観光をして、またやくもに乗って出雲へ。
松江城に行く途中でやたらと「竹島」の幟を見かけた。
竹島は知っているが、島根県だったのね。
島根県庁の分庁舎にある竹島資料室が開館していたので立ち寄ってみた。
ためになる資料がたくさんあって非常に興味深い場所だった。
感心したのは、島根の高校生と韓国の高校生で手紙を出し合っていることだった。この年齢からこういった問題に取り組んでいることは非常に良いことだと思う。
日本人が政治や世界に目を向けないのは、そういった教育をしていないからだ。
そして、わざと興味がなくなる様に教育している。
さて、いざ国宝 松江城へ。
松江城のお堀を船で巡る、ぐるっと松江堀川めぐりというのに観光客が数組向かっていた。
筆者は船には乗らなかったが、朝食代わりに船着き場のすぐ目の前にあるカフェスタンドでソフトクリームを食べた。
筆者らがお店に入ったときにはお客さんは全くいなかったが、注文していると次から次へと堀川めぐりの観光客が。一人で立っている店員さんはてんやわんやになっていた。
宍道湖近くということで、宍道湖でとれるしじみの味噌汁もあった。
店員さんがてんやわんやになっていなかったら注文したかな笑
筆者は戦国時代などの戦モノにはさほど興味がないことと、お城は上ると結構疲れるので、近くまで行って見たらそれで観光終了である。お城本体には入らない。
松江城までのぼる途中にある興雲閣にも立ち寄った。内装が明治・大正を想わせるのもになっており興味深かった。
近くの武家屋敷も見学して、昼食へ。
それにしてもこの辺り…
まったく写真を撮っていないw
昼食は歩いている途中、しきりに幟や看板で見かかる「出雲そば」を食べることにした。
武家屋敷のすぐ隣にあった出雲そば処 八雲庵へ。
武家屋敷跡をお蕎麦屋さんにしているらしく、風情があって素敵なお店だった。
メニューの意味をよく理解できておらず、鴨なんばんに割子までついているメニューにさらに追加で割子そばを注文してしまった父。
さすがにおなかパンパンで辛そうだった笑
ここで突然の腹痛に見舞われる筆者。
(※お蕎麦屋さんのせいではないです。)
便秘持ちは長期旅行ではコントロールが大変なのよ。
松江駅から特急やくもがやってくるのを待っている中、電車到着まで残り15分で再び腹痛。
電車に間に合うか?間に合わないか?と思いながらも、ぎりぎり間に合ってセーフw
無事にやくもで出雲へGO!
電車から見えた宍道湖。
島根は自然がたくさんで素敵なところ。
出雲は中編・後編へ。
島根旅行記(前編):古墳・日本神話と松江城

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